ツイノベ集(#twnovel 

招夏がお題を使って作った小話集です。ツイッターで呟いたものを集めてみました。色が違う部分は関連作品です

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 ツイノベの輪  モギイ様の連載ツイノベ

「皇帝フーカ―八世の冒険」
 檀敬さまによる当ツイノベ関連小説

「ダン教授とタカシ助手のバレンタイン
「ダン教授とタカシ助手のホワイトディ」
関連ツイノベ 43
 招夏連載ツイノベ

モノクローム☆ドラゴン
(異世界FT(仮)を改名しました)


 

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 Twnovel(上に行くほど新しいお話です)
114  2016/1/17     ツイッタ診断メーカーからのお題
『君と一緒なら何だっていい』
 Q. 君と一緒なら何だっていい、と彼が言うので、練炭にする? それともガス? と訊いたら怯えて逃げていきました。秋刀魚を焼く方法を訊いただけなのに…。どうしてでしょうか。 A. たぶん彼は、秋刀魚が嫌いだったんでしょうね。もしかしたら魚が嫌いなのかもしれません
 
 113  2016/1/15    ツイッタ診断メーカーからのお題
『幸せになんて、なってやらない』
 純白のドレスに身を包んだお嬢様は天使だった。彼女は私の誇り。愛すべき唯一無二の存在…否、執事の身には過ぎた思いだ。分かっている。私からの祝福の言葉に、彼女は頬を紅潮させて睨んだ。 「幸せになんて、なってやらない。お前無しに幸せなんかになれない。知ってるくせにっ」
 
 112  2016/1/13    ツイッタ診断メーカーからのお題
『嘘吐きの心臓』
 嘘吐きの心臓。不真面目な肝臓。怠け者の肺。ヒステリックな脾臓。メランコリックな腎臓。神様が全部私にくれたもの。どれもこれも曲者だ。取り扱いにはご注意ください。水濡れ注意。天地無用。ワレモノ注意。要冷蔵。私のたーへるあなとみあ。
111  2016/1/11    ツイッタ診断メーカーからのお題
『アナログなコミュニケーションしか持ち合わせていない僕ら』
 鏡は取り上げられた。太鼓は近所迷惑だと怒られた。どうしよう。庭を見下ろしてポンっと手を打つ。落ち葉! 集めて火をつけよう。狼煙、うまく伝わるかな。スマホはどうしたって? そんなもの一番に取り上げられたさ。アナログなコミュニケーションしか持ち合わせていない僕らの恋
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 お題

 Twnovel(上に行くほど新しいお話です)
110   2016/1/10    ツイッタ診断メーカーからのお題
『誰だこいつを甘やかしたのは』
 ご飯が不味いと茶碗をひっくり返す。私よりも仕事が大事なのかと拗ねる、邪魔する。彼女はやりたい放題だ。誰だこいつをこんなに甘やかしたのは! 柔らかな肢体をくねらせて媚てきやがって、そんなことで俺が許すとでも? にゃん うっ…頬に肉球タッチとか反則だろ。くそっ、許す
 
 109  2016/1/9    ツイッタ診断メーカーからのお題
『明日死ぬんだってさ、』
 俺、明日死ぬんだってさ。占い師に言われたんだ。一昨日。で、昨日ずっと考えたんだ。ほら、最期の日になるかもしれないだろ? そしたら君の事しか思い浮かばなくてさ。もっと気持ちを伝えれば良かった、もっと一緒に過ごせば良かったって…後悔した。それ伝えたくて会いに来たんだ
 
108   2016/1/7      ツイッタ診断メーカーからのお題
『つまりはまぁ、好きってことでして』
  なんで喧嘩したのかって? や、君には関係ないよ…ってか、ごめん。嘘。あいつらが君の事、男より強くて怖ろしいっていうから、そんなことない、優しいとこたくさんあるって言ったら、嘘つき呼ばわりされてさ。腹が立ったんだ。…それって、つまり、その…君の事好きってことでして
 
107   2016/1/4     ツイッタ診断メーカーからのお題
『いつから嘘だってわかってた?』
 四十九日が終わって、ようやく君の荷物に手を付けた。出てきたのは僕宛の封筒。通帳の場所や僕の好きな料理のレシピなどのメモ書き。いつから気づいてた? 余命半年なんてとても言えなかった。すぐに元気になるからって笑う君。嘘つきな僕が君を大嘘つきにしてしまった。ごめん…。
 
106     2016/1/2     ツイッタ診断メーカーからのお題
『僕の弱点イコール君』
 「はい。頑張りまっす。俺、養ってるやついるんで!」  金になるならなんでもやる。君のためなら頑張れる。こんな時、君=俺の強味になる。 「おーい、大丈夫か?」  速い息。震える小さな体。くぅん。鳴き声までか細い。俺はオロオロするばかり。こんな時、君=俺の弱点になる
 
 105   2016/1/1     ツイッタ診断メーカーからのお題
『望んでなかった幸せ』
 え? もう一度言ってもらっていいかな。今、結婚してくださいって聞こえたんだけど…空耳だよね。だって僕は自分で歩けないし、君をお姫様抱っこだってできないよ? そんなことしてもらわなくてもいいよ。君が笑う。悪夢の事故から五年。こんな幸せ、望むことすら忘れていた…
 
  104  2015/12/31      ツイッタ診断メーカーからのお題
『目を合わせたその一瞬で』
 目を合わせたその一瞬で、悪寒がした。こいつヤバイ奴だ。関わらない方がいい。本能がそう言う。帰国子女だからってそのピアスはないでしょう。光を弾く翠石。案の定先生から注意される。渋々外すと、あろうことか私の机に放った。やるわ、っていらないよ。他の女子が睨んでるじゃん
 
103   2015/12/30      ツイッタ診断メーカーからのお題
『今が、幸せでないというわけではないのに』
 花火、きれいだね。隣で浴衣姿の彼女が微笑む。きれいだね。僕も微笑む。少し罪悪感。かつて隣にいた君と見た花火が、あまりにもきれい過ぎて、忘れられないんだ。君のしぐさ、口癖、匂いや体温も、いつか忘れられる日が来るのかな。今が、幸せでないというわけではないのにね
 
 102   2015/12/29     ツイッタ診断メーカーからのお題
『最初からやり直したい関係』
  久しぶりに見かけた幼馴染は、妙に大人びて見えた。こいつこんなに綺麗だったっけ? 近過ぎて見えなかったものがある。そういうことか。痩せた頬。愁いを帯びた瞳。声を掛けそびれた。辛い恋をしているのだと噂できいた。馬鹿だよな。あいつの告白を冗談にした昔の自分に悪態をつく
 
 101 2014/8/6  恋愛    8/6のテーマ【まき】
by樹莉亜さん
 これ巻いてますね」「あ、本当だ」几帳面に巻かれた早緑色の葉。イラクサのゆりかご。 「女性で虫が好きなんて珍しいね」 笑うあなたに、曖昧に微笑む。別に虫が好きなわけじゃない。鈍いなぁ。気づいてよ。まぁ、そこがいいんだけどね。 オトシブミ。羽化するまでは、私の口実
  
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 お題

 Twnovel(上に行くほど新しいお話です)
 100 2014/8/4  コメディ   貴方は立花招夏で『未送信メール』をお題にして140文字SSを書いてください。
by診断メーカー
 送信ボタンを押す手を止めた。やっぱ無理。こんなメール送れないよ。彼だって困るかもしれない。それにこんなの送った私のこと嫌いになっちゃうかもじゃない。無理。あの人に憎まれたら私は生きていけないもの。未送信のまま私はそっと携帯をしまった。 課長、ファスナー開いてます
 99 2014/8/1  恋愛?   8/1のテーマ【フルーツ】
by樹莉亜さん
 蔵庫の冷気が二日酔いの頭に心地いい。妻は出勤したらしい。オレンジが乗った硝子皿。くし型に切った果実に齧りつくと瑞々しい香りが口いっぱいに広がった。一人ぼっちのキッチン。ささくれた気持ちを宥める甘い芳香。ごめん、昨夜は言い過ぎた。本人に言いなよと黄色い果実が笑う
 
 98  2013/6/12  コメディ? 現実よこんにちは・君の総てを飲み干したい・零れ落ちるのは幸せばかり(うち一題使用) 細くくびれた腰に指をはわす。うっすらと汗ばんで、指でなぞるとつぅーと滴る。僕は幸福の溜息をつく。白く丸い丘をつつけば、今にも溢れそうになる甘露。暑い夏の昼下がり。僕はごくりと唾を呑む。もう限界。君の総てを飲み干したいんだ。僕はクリームソーダにストローを突き刺した

 97 2013/6/11  コメディ?  声を聞かせて・吊り上った唇に目を奪われる・愛で地球は救えなくても僕は救えます(うち一題使用) 「舐めろよ、おまえのせいで汚れたんだからな」吊り上った唇に目を奪われる。 「え、でも、それ…汚い」そう言った瞬間彼は激怒した。 「なんだと、俺が大事に持ってたチュッパ○ャップス、おまえのせいで落としたんだぞ。責任とって、水で洗って舐めろよ」甘くてほんのりミント味

 96  2013/6/7  コメディ 縋りつけよ、欲しいなら・頬を滑る綺麗な涙・蔑まれてもいい、好きだと言わせて
(うち一題使用)
「巨人の襲撃は今夜だ。俺達は今まで身を潜めて生きてきた。すべては、俺達をここから自由に解き放ってくれる羽を手に入れる為だ。いいか、縋りつけよ、欲しいなら。あの自由に飛びまわる羽が! あーっ」「毛虫みーっけ」私は枝にしがみつく毛虫を火箸で掴み取り、レジ袋に投入した

95   2013/6/6 恋愛  笑顔の行方・誰にも奪わせない・愛で地球は救えなくても僕は救えます(うち一題使用) 街で黄色い募金箱をよく見かける。またあれの季節か。自販機で紅茶を買ってきた彼女がおつりを箱に入れた。 「これって地球を救うって言えるのかなぁ。人を救ってるんだよね」  見上げる大きな瞳 「愛で地球は救えなくても僕は救えますよ」  そう返すと大きな瞳がほころんだ

94  2013/6/5  恋愛  硝子の器に君の雫・一度でいいからキスをください・ゆっくりと●●てあげようか
(うち一題使用)
私の彼はとっても意地悪だ。私のことをいつもからかってばかり。 「ねぇ、どうしてキスしてくれないの? 一度でいいからキスをください」 いいよーとニッコリほほ笑む彼。だけど彼がくれたのは、 「…これ鱚の天ぷらじゃん」 尖らせた唇に軽くキス。初めてのキスは天つゆの味

93  2013/6/4  神話パロディ  誘う術を教えて・人肌を求めて・絶望が世界を覆い尽くしても(うち一題使用) 「たとえ絶望が世界を覆い尽くしても、僕が君の希望になるよ」と言ったら、小さな箱の中に閉じ込められた。箱が開いたら最後に出ろっだってさ。あれから随分時間が経ったようだけど、そろそろ開くころかな。最近外が騒がしいようだしね。あ、鍵を回す音がする。君に会うのが楽しみだ

 92 2013/6/3  コメディ?  足の指先までも・闇に紛れて・夢は夢にしかならず
(うち一題使用)
闇に紛れて台所に忍びこみ戸棚を漁る。確かここらに隠してあった筈だ。あの禁断の香りの…。 パチッ。突然灯りがつく。 「あなた何してるの?」 「いや、ちょいと小腹が減ってね…」 「こんな夜中にカップ麺なんか食べるのやめてください。メタボで引っかかったばかりでしょ?」

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2013/6/2  恋愛?  声を聞かせて・月は遠くとも・涙はいつか止まるもの
(うち一題使用)
俺の声は兄にそっくりだ。兄は優秀で皆からとても愛されていた。俺とは正反対。だから共通点は声だけだと言われるたびに捻じくれる。中でも、未亡人になってしまった義姉からの電話に出る時が最悪だ。 「ねぇ、もっと声を聞かせて…お願い」  兄貴の馬鹿が。俺はどうすればいい?

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90   2013/6/2 恋愛  声を聞かせて・月は遠くとも・涙はいつか止まるもの
(うち一題使用)
「月は遠くても、夜になればいつでも見られるよ。月よりも遠いところに、私を置いて行かないで…」なぁんて雰囲気たっぷりに言ったのに。私の彼ってば、ハイって、スマホを渡してさっさと行っちゃった。月なんか引き合いに出さなきゃ良かった。お陰で、国内にいるのに毎日時差ぼけ…

89   2013/6/1 恋愛  アンバランスな心・細い鎖を手に・悲しみを放り投げて(うち一題使用) 王子様が私を選ばないのはいつものこと…。私は悲しみを放り投げて、まな板の上で何度も何度も殴りつけた。ジップロックに入れて執拗に足で踏む。再びまな板の上に乗せてこん棒でグイグイのす。最後によく切れる包丁で切り刻んだ。自家製悲しみ100%で作ったうどんは涙の味がした

 88 2013/5/31    その他 君以外要らない・似合わない眼鏡・拝啓、僕の好きな人(うち一題使用) 艶めかしいきめの細かい肌。そのやわらかな肌に唇を寄せると、君はフルフルとふるえた。 「…君を食べてもいいかい?」 「私のこと…好き?」 涙を流しながら君が問う。僕はこっくりと頷いた。 「君が好きなんだ。君以外要らない。ネギさえ入ってなくていい」  今日麩の味噌汁

87  2013/5/31 その他  君以外要らない・似合わない眼鏡・拝啓、僕の好きな人(うち一題使用) 拝啓、俺の好きな人 またフラれたんだってな。あんな奴やめとけって何度も言っただろ? おまえは本当に男を見る目がない。おまえがそうやって泣く度に、俺がどんな思いでいるのか知ってるのかよ。いいか、これは命令だ。もう俺だけを見てろ 敬具 追伸、猫缶は前のやつの方が旨い

86  2013/5/30  SF  行方知れずの恋・僕と幸せになりませんか・解けたリボン (うち一題使用) 「僕と幸せになりませんか」街で声を掛けられた。ひょろりとした腕にはIDナンバー。最近巷で問題になっている野良アンドロイドらしい。どうやって幸せにするのかと訊いたら、子守唄を歌えると言う。ついつい拾ってしまったのは寝不足だったから。彼の声はまろくて、とても甘やかだ

 85 2013/5/30   その他 行方知れずの恋・僕と幸せになりませんか・解けたリボン (うち一題使用) 行方知れずの恋を探しに旅に出た。ドラマチックな恋になりたいと言っていたから、海とか山とか世界の真ん中とかに行ってるんじゃないかと思ったんだけど、どこにもいない。仕方なく家に戻ったらリビングでふて寝してた。リア充は爆発しろとあちらこちらで言われて、嫌になったらしい

 84  2013/5/29 恋愛  壊れた硝子を掻き集める・長い睫毛に一滴・甘くて蕩けてしまいそう (うち一題使用) 壊れた硝子を掻き集めるように、その人は花びらを一つ一つ丁寧に拾った。死者を悼む為の白い花びらは無残に千切れて、僕の足元にまで飛んできた。 「これは、父に…」そう言って拾い上げると、その人は瞠目した後深々と頭を下げた。愛人だと噂されるその人は、とても美しい人だった

83  2013/5/28  ブラコン? 言葉にも声にも出来ない・長い睫毛に一滴・不安要素は摘み取って(うち一題使用) 長い睫毛に一滴、雫が乗っかった。「ちゃんと目を開けとかなきゃダメじゃん」「開けてたよ。ねーちゃん、目薬さすのほんっと下手っ」「何を! じゃあ自分でやればいいじゃん。ほんっと可愛くない」私は目薬を弟の手に押しつけた。弟は私よりも睫毛が長い。ほんっとカワイクナイ…

 82  2013/5/28  恋愛/BL? 言葉にも声にも出来ない・長い睫毛に一滴・不安要素は摘み取って(うち一題使用) 「も、もしもし? あのさ、今週末、暇? おまえが見たがってた映画が…あぁ、ゴメン。そうだったよな…」  ごめん、付き合い始めたばかりだから…と言葉を濁す友人に、作り笑いで、了解、頑張れよと返す。俺のことを恋愛対象として見てくれなんて、今更、言葉にも声にも出来ない

 81
 2013/5/25
 恋愛 確定した未来・桜色に染まる・一緒でいい、一緒がいい(うち二題使用)  「ごめんね、ほんっと、ごめん…」「気にすんなよ」 桜色に染まる頬。顔色少し良くなってきたかな。バスに酔った君につきあって、登山の列の最後尾。 「随分遅れちゃった。本当にゴメン」「だから、気にすんなって」 委員長だからってだけじゃないんだ。 一緒でいい、一緒がいい
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 80  2013/5/24  FT  夢は夢のままで・似合わない眼鏡・全部奪って、跡形も残らないように(うち一題使用)  三つ編み、季節はずれなコート、似合わない眼鏡。あれで変装してるつもりかね。俺は鼻で笑う。通りを横切り、素早くビルの陰に身を潜めた。巻き込む訳にはいかんからな。やつらは弱いところを突いてくる。キョロキョロしている背中に小さく笑む。うっとおしい女。だけど…かわいい女
 
 79
 2013/5/23
 恋愛  君以外要らない・淋しくても死なないうさぎ・望むなら犬にでもなるよ(うち一題使用)  朝食は温めたクロワッサンとマグカップになみなみと注がれたカフェオレ。いつも通りの電車に乗っていつも通りの時間に会社につく。お昼はお弁当。残業は当たり前。いつもどおり。何も変わらない。あなたがいなくなっても、笑顔の量以外何も変わらない。私は淋しくても死なないうさぎ
 
 78
 2013/5/22
 恋愛  奥深くまで侵食されたい・舌の先が痺れるほど・ほどけた包帯(うち二題使用)  週末は大嫌い。孤独が私を唆しにくるから。
 壊しちゃえ。奪っちゃえ。
 舌の先が痺れるほどの火の酒を一気にあおる。心の奥深くまで侵食されたいのは、酒にじゃない。  あなたに会いたい…会いたい。
 こんな私なんか大嫌い。私なんか木っ端微塵になってしまえばいい…
 
77
 
 2013/5/21
 恋愛  足の指先までも・火に飛び込む虫のように・真綿より両手で(うち一題使用)  灯りをともそう。あなたが夜道で迷わぬように。間違えずに私の元まで戻ってくるように。大きな大きな灯りをともそう。あなたはただ火に飛び込む虫のように、光を目指して飛べばいい
 
76
 
 2013/5/21
 恋愛  細すぎる手首・罪なのか、それとも・囁かれるたび癖になる(全題使用)  細すぎる手首を押さえつけ、頬に唇を寄せる度に君は震える。これほどまでに愛してしまうことは、罪なのか、それとも……。 
「放して、お願い。怖い……」
 か細く震える声で囁かれるたび癖になる。どうしても君を腕の中に閉じ込めたくて。欲しいのは君の信頼。それだけなのに……
 
75
 2013/5/20
 FT  君の欠片に触れていたい・涙より血を流す方がましだ・もう二度と伝えることは出来ない(うち一題使用)  「止めても無駄だ。今行かねば、余は一生後悔することになるだろう。涙より血を流す方がましだ。案ずるな、まだ負けると決まった訳ではない」
 揺るぎなき言葉。迷いなき背中。
「皇子、どこまでもご一緒致します」
 気がつくと、私は深々と叩頭していた。 
 
 74
 2013/5/19
 恋愛  温もりが消えていく・誰にも奪わせない・苦い恋を齧る(うち一題使用)  最後まで言えなかったなぁ。もう何年も会えなくなるっていうのにね。幼馴染って不利だよね。ジョークにされちゃうんじゃないかって気弱になって……。
 出国ゲート。合わせた拳。
 手の甲から、君の温もりが消えていく……
 
73
 
  2013/4/5  FT 鼓膜を擽る大好きな声・心と身体を捧げた次は・消えない光(うち一題使用)  主の名を呼ばわりながら瓦礫をどける。小一時間ほど経った頃、救助を求める声が返ってきた。
「リュシオンここだ。手を貸してくれ」
 お前の方が死んでるような顔色だと、大らかに笑う瞳に浮かぶ消えない光。安堵のため息をつく。
 誰が何と言おうと、あなたが私の主人なのだ。間違いない
 
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  2013/4/5  FT   「さも」を使って短文を作りなさい 「さ、もう行こうか。ここに心を残したって仕方がない…」
 君は強いね。本当は一番傷ついている癖にさ。さも何事もなかったかのように、また歩き出すんだね。その小さな背中を、僕は慌てて追いかけた。
 
71   2013/4/4  その他  確定した未来・肩口に鼻を埋めて・闇に浮かぶ白い首筋(うち一題使用) 弾む吐息、甘噛みしてくる柔らかな唇。
 くすぐったくて、僕は笑いながら音をあげる。いつも……。
 君はいつでも体中で喜びを表してくれるから、僕はその度に幸せになる。大好きだよ。
 僕の肩口に鼻を埋めて君は鳴いた。わぉん?
 
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 70  2013/4/4    「くまなく」を使って短文を作りなさい クマ、なくした鮭を探して川の中を右往左往。クマッタな〜( ̄(エ) ̄;)
69   2013/4/3    「ひたすら」を使って短文を作りなさい 水たまり 月浸す 落花の墓標
68   2013/4/2    「ほぼ」を使って短文を作りなさい 千切れた帆 僕はあきらめない 太平洋なう
67   2013/3/19  恋愛  #この絞めいかがですか 「終わりではなく、始まり」  「でっ?って見たら分かるでしょ。玉砕よ」君はドリンクバイキングのレモネードを一気飲みした。君の恋の始まりと終わりに立ち合うのは、いつも僕の役目。いつものファミレス。窓際の席。満開の桜。ねぇ、愚痴を聞く役、もう卒業してもいいかな。そしてできるなら、終わりではなく、始まりにしたいんだ
  
 66  2013/3/18  恋愛  #この絞めいかがですか 「一心不乱にか細い糸を手繰り寄せる。溺れないように。息をすることを諦めてしまわないように。」  都会の雑踏はモノトーン。いつだって私を孤独にする。行きかう人々も街も車も、みな忙しげで、知らん顔で。手掛かりは一枚の葉書き、それだけ。あなたにひと目会いたくて家を飛びだした。今、どこですか? 一心不乱にか細い糸を手繰り寄せる。溺れないように。息をすることを諦めてしまわないように。
 65*  2013/3/14  ファンタジー  
お題 「箒星」
 信じられない。今知ったんだ。僕が、二度と君の元に戻れないらしいって。君の温もりに、僕はもう二度と触れられないのかな。放物線の僕の軌道。僕はきっとぐしゃぐしゃに泣くよ。いつも君の傍に居る奴らに、その涙が降り注げばいい。箒星の後には無数の涙。それはいつか流れ星になる
  
 64
*
  2012/2/29  その他 憧憬
ダイヤモンド
永劫(イオン)
年の離れた姉の結婚式は、だ子どもの私にさえ結婚に対する憧憬の念を植え付けた。ばら色に染まった頬。日だまりの中のチャペル。白いベール。ダイヤモンドの輝きは永劫の幸せを約束したものではなかったの? 明日姉は家に帰ってくる。穏やかにほほ笑んだ義兄の遺影を胸に抱いて…
  
 63
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  2012/2/28  ファンタジー

カメオ 
私は嬉しくて海の中をぐるぐる泳ぎ回った。彼がくれた乳白色のカメオには美しい女性の横顔が刻まれていた。「君の方が綺麗だよ。ねぇ僕は君を愛してる」彼は照れ臭そうにそう言った。ねぇ、私には鱗がついた尾ひれがあるの、って言ったらどうする?それでも好き?いいの嘘はいらない
   
 62
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 2012/2/27  恋愛 あんみつ 

愛玩
「ねぇ、私のこと愛玩動物くらにいしか思ってないんじゃない?」彼女の目から涙がぽろぽろと零れる。そんなことないよ、馬鹿だなぁと言ったけど、ご機嫌とりのあんみつに手をつけた彼女の緩んだ顔を見ていると、ちょっとそう思わないこともないけどな…と心の中で小さく吹きだす
 
 61  2012/2/24  その他 ジェラート
口紅
夏の終わりの海は寂しい。ビーチパラソルもジェラートを舐める赤い口紅の口元もカラフルな水着もどこに行っちゃったんだろう。海も沈む太陽もどこまでも広がる砂浜も相変わらずそこにあるのにね。俺を呼ぶ声がする。ワォン!俺はしっぽを一振りすると駆けだした。バイバイ、サマー
 
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 60  2012/2/23  その他 アイスクリーム
タイムマシン
怪しむ
アイスクリームを買ってきた兄貴の挙動がなんか変だ。怪しんで睨みつける私に兄はこう言った。「おまえタイムマシンを持ってないか?」はぁ?何を言っているんだこのアホ兄は。しかし兄の手の内にあるものを見て了解した。コーンだけか。そして足元には無残な残骸。やっちまったな
 
 59  2012/2/22  恋愛 苛立つ

恋人たち(ラヴァ―ズ)
泣くなよ。泣いてない…これ涙じゃないし。言いたいことあるなら言えよ。苛立った口調に更に涙が零れる。彼女になれば楽になれると思ってた。だけど相変わらず、彼が他の女性と話しているだけでモヤモヤする。私どうしちゃったの?他の恋人達はどうしてるの?距離の取り方を教えて
 
 58  2012/2/21  その他 アイスクリーム
鳥籠
満足
君は満足そうに鳥籠の中でまどろむ。気づかないの?君は死にかけてる。そんな小さな籠の中では夢も見れない。絶望は死に至る病だ。冷凍庫から出したアイスクリームが溶けるように、熱いコーヒーがやがて冷めるように、それは当り前のこと。さあドアを開けて。広い世界が君を待ってる
 
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 2012/2/20  恋愛…たぶん クリームソーダ
カプセル
嗅ぐ 
くんくんとカプセルを嗅ぐ。臭うな。俺は顔を顰める。「こんなの飲めないよぉ。なんか変なにおいするし…)案の定彼女は駄々をこね始めた。嫌でもタ○フルは飲んでもらわねばならぬ。ちゃんと飲んで治ればクリームソーダを作ってやると言うと渋々了承した。マッタク手間がかかる人だ
 
 56  2012/2/19  その他 歩く
ブラックホール
太陽(サン)
座る場所どころか歩く隙間もねぇ。俺は唖然とする。「ねぇ兄貴、ブラックホール持ってない?それか太陽」はぁ?あまりの部屋の汚さに発狂したか妹よ。「全部吸いこむか燃やし尽くすかしたらスッキリするよね?」いーや、全然思わねぇ。ホームレスどころかアースレスになっちまう…
 
 55  2012/2/18  その他 恐れる
スカート
知識(ダアト)
スカートの語源は「スケル」短い、切ったものという言葉から始まっている。男だからと言って恐れることはない。…っておまえの知識の豊富さはよっく分かったさ。だが、俺が知りたいのは何故俺がそれを着なければならないのかと言うことだ。彼女がいるなんて見栄をはるんじゃねぇよ
 
 54   2012/2/17  ファンタジー 鬱屈
サファイア
正義(ジャスティス)
サファイアを埋め込まれた正義の剣は真の勇者のみ抜くことができる。私は柄を握り、力一杯引き抜いた…つもりだった。「うぬっ何故ぬけぬっ」そんな私を村人たちが取り巻く「ねー、あの人何しているの?」「鬱屈してるんじゃね?」見かねた老人が声をかけてきた「それはレプリカじゃよ?」
 
 53
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  2012/2/16  恋愛 つま先

喜ぶ
こんな時間に誰だろう。つま先立ちで魚眼レンズを覗いた私は瞠目する。慌てて鍵を開けた。「誕生日おめでとう。一番に言いたかったんだ。君が喜ぶ顔を一番に見たかったから」午前零時のバラの花束。赤いバラの花よりも赤くなって…。もうあなたってば、びっくり箱みたいなんだから…
 
 52   2012/2/15  恋愛 あんみつ
伝言
ブラックホール
まるでブラックホールが胃に発生したのではと疑うほど、彼女はあんみつを食べ続けている。「わたしより朝ちゃんの方が好きだって知ってた。双子なのになんで?」ち、兄貴め、チョコもらえないとか俺に伝言頼むなよ。恨むぜ。俺は小夜が好きだよって言っても、慰めにしか聞こえないだろ
 
 51   2012/2/14  恋愛 挑む
惑星
隠者(ハーミット)
今日私が挑むのは惑星一の隠者(オタクともいう)と言われるK君だ。何故そんな人にって思う?私も思うよ。なんでかな。でも見事玉砕。チョコなんていらないってさ。しょぼくれて歩く帰り道。「おまえ、俺のこと本当に好きなの?」K君だった。いつもと違う彼の瞳に嵐の予感がした。
 
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 2012/2/13  ファンタジー 苛立つ
トルコ石
慈悲(ケセド)
敗軍の将に慈悲など要らぬ。苛立って私は円卓を蹴りつけた。飛び散る皿と料理と、そして悲鳴。「おイタが過ぎるようですね」背後から現れて一瞬で私を拘束したトルコ石の瞳を睨み上げる。「あなたは捕虜になったんです。いい子にしてないと、俺何するか分かりませんよ?」…最悪だ
 
 49  2012/2/12   恋愛 食べる

星(スター)
『私を…食べるの?』震える声。「ああ、食べるよ。君が好きなんだ」夜空の星よりも君は甘く愛らしく、俺の心をとろかせる。「ねぇ、金平糖相手に何しゃべってんの?キモイんですけど…」あーあ、俺は金平糖相手に言うさ。金平糖はおまえみたいに照れて殴りかかって来ないからなっ
 
 48  2012/2/11  恋愛 オランジェット
手紙
マフラー
手編みのマフラーと手紙が入った紙袋をぎゅっと握りしめた。今時手編みとか手紙とか誰も贈らないよね。そんな友達の会話に冷や汗をかいて縮こまる。どうしよう、オランジェットだけでも渡す?でもそれじゃ去年と変わらない。サンキュで終わっちゃうよ。友達のラインを越えたいのに…
 
 47  
 2012/2/10 
 その他 金木犀
スプーン
飽きる
プラスチックのスプーンに金木犀の花びらをのせて食べる真似。金色の馥郁とした甘い香りの花まんま。飽きることなく何度でも、おかわりどうぞって君が無邪気に笑うから、もう十杯は食べたよね。秋の日だまり。おままごと。君が嫁に行く日には、きっと俺泣いちゃうんだろうな
 
 SF  (注)対ツイノベですが、テイストが違います。檀敬ワールドをお楽しみください(^^)
 檀敬さまが対ツイノベを作ってくれました。サンクス!

あたしの星じゃこれが最高の贅沢なのに。金色の馥郁とした甘い香りはあたし達を十分に昇天させてくれるのに。このヒトったらずっと食べる真似しかしてないわ。やっぱり地球人には判らないのねぇ。きっと金星人と木星人のハ―フだけが判るのね。金木犀の本当の味わいを。
 46  2012/2/9  恋愛…たぶん 激怒
フローライト
戦車(チャリオット)
彼はフローライトを光にかざしながら私を睨みつけた。「これ濃硫酸につけるとフッ化水素ができるんだよね〜。それで俺の名前刻印しちゃおうかな。戦車で踏みつぶすってのもいいな」激怒しているのはよく分かった。しかし、たかがガラス細工の贈り物一つにそこまで怒るか? ふつう…
 
 45
*
 2012/2/8  ファンタジー 這う
星雲
不安定(アィーアツブス)
足元を這う霧が星雲のように渦を巻く。「僕が何とかするから…」そう言い残して奴は消えた。まったく、ろくに剣も振れないやつが、こんな何が出て来るか分からないような森で一人で何ができると言うのだ。見つけたらお仕置きだ!不安定な足元に悪態をつきながら私はひた走った
 
 44
*
 2012/2/7  BL 哀しむ
琥珀
創造(ブリアー)
創造の神はいつも気まぐれだ。なぜ彼は彼であり僕は僕なのか。ロミオとジュリエットよりも尚、僕たちは滑稽で、そして…哀しい。触れることはおろか、話しかけることさえ躊躇う僕を彼は滑稽だと思っているだろうか。せめて彼と居られるこの時間を琥珀に閉じ込められたらいいのに…
 
 43
 2012/2/6  その他 

パンナコッタ
硝子ビン
恐れる
私はごくりと唾を呑みこんで硝子ビンを覗きこんだ。ビンは凶悪な物質で満たされている。心を侵食する魔性の物質だ。決して非合法ではないが、その故逆に凶悪さが巧妙だ。しかし…デブが怖くてパンナコッタが食えるか!生クリームなど恐るるに足らずだ!はぁぁ やっぱ美味し〜い
 
 檀敬さまが対ツイノベを作ってくれました。サンクス! 「ぐふふ」「先生、また作ってるんですか?」「招子と夏子を手に入れるまではな。この媚薬は彼女達を虜にするんだよ、ひひひ」檀教授がビンに詰めているのはどう見てもパンナコッタと生クリーム。化学者ならまともな媚薬くらい作ってほしいと呆れる、助手の敬クンであった。
 
 上記作品に出て来るキャラ「招子」「夏子あらため夏海」「檀教授あらためダン教授」「敬助手」は、檀敬さまの別の作品にも登場します。コチラ→@A
 42  2012/2/5  ファンタジー
ペリドット
首飾り
私にはペリドット色の首飾りがお似合いだ。ペリドット色の茨でできた首飾り。あなたの首筋にたてた牙の数だけ、私も茨で傷つけよう。意味が無いと言われても、私は私を罰せずにはいられない。血に飢える浅ましい欲望を、呪われた生を、罰する為に私はこの首飾りを身につけよう。
 
 41
 2012/2/3  その他 金魚
毛糸玉
諦める
金魚は慌てて底に潜ってく。毛糸玉はドアの外に逃げてった。みーんなアタシから逃げようとするんだ。なんでだろ。ほんのちょっと触ったり、におったりしたいだけなのに。諦めきれずにウロウロする。階下でアタシを呼ぶ声がした。あたしはぜーんぶ忘れてかけ下りる。ゴハンだ!にゃお
 
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 40  2012/2/2  恋愛 ビスケット
機械
激怒
「ねぇ、まだ怒ってんの?」機械に向かう背中に激怒していると書いてある。「ごめんって…」幼馴染は怒るとヘンテコな物を作り始める。チョコビスケットに唐辛子混ぜたくらいでそんなに怒るか? 本命じゃないってこと? そう言ってやつは背を向けた。だって…照れ臭いじゃん、今更
 
 39
 2012/2/1
何かこれ、コワイシチュになっちゃった気がします。はは^^;
 恋愛?偏愛かも…
標本
レース
一つ一つ指さしながら鳥の標本の説明を読んでいる彼女に釘づけになる。手触りの良さそうな長い黒髪、滑らかな白い肌にぽってりと赤い唇、胸元から覗く黒いレース。この博物館にあるどの鳥よりも、彼女は、希少で俊敏で捕まえにくい鳥みたいだ。だからこそ手に入れたくなるんだけれど
 
 檀敬さまが対ツイノベを作ってくれました。サンクス! ふふ。あたしを捕まえるつもりなのね。えぇ、いいわ。どうぞあたしを捕まえて御覧なさい。貴方が以前、あたしを捕まえた時と同じように。そう、あたしは忘れてなんかいないわ!あの屈辱!あの苦痛!あの悲しみを!今度は貴方が体験する番よ。ふふふ、ジックリとね……。
 
 38  2012/1/31  恋愛? 舐める
ドレス
物質主義(キムラヌート)
意識は高度に組織された物質(脳髄の)所産だ。物質主義の父は私にそう教えた。だからドレスをまくりあげられて傷を舐められることなど、単なる治療に過ぎないのだ。なのに、「少し我慢しろ、すぐに家までつれて行ってやる」そんな言葉にさえ震えるほど動揺してしまうのは、なぜ?
 
 37  2012/1/30  恋愛 恥らう
カプチーノ
運命の輪(ホイールオブフォーチュン)
ひっくり返ったカプチーノ。恥じらう気持ちが二次災害を引き起こす。相手のコーヒーまでひっくり返すなんて私くらいだろ。この見合い終わったな。だけど、その人はにっこり笑ってこう言った。「あなたと居ると退屈しなくて良さそうですね」運命の輪よ。どうか私に味方してくださいっ
 
 36  2012/1/28 その他 ジャム
インク
外套
インクは後で落ちないかもしれないからジャムを使う。でもブルーベリーはやめておいた方がいいかな。ターゲットはよそ行きの一番上等な外套とワンピースだ。あのワンピースじゃなきゃ絶対に出かけないと言い張る予定。あのいけ好かない坊ちゃまなんかと一緒に遊ぶなんて絶対嫌だもん
 
 35
*
 2012/1/27  その他 お茶

こっくりと赤いお茶は私のお気に入りだ。遠くに雪をいただいた白銀色の山々を眺めながらゆっくりお茶を啜る。この塔の上は私の秘密の特等席だ。なのに、「やっぱりここに居た」悪戯っぽく笑む瞳。どうやってここを見つけ出したのか。まったく、うちのお嬢様は神出鬼没で困ってしまう
 
 34
 2012/1/26 コメディー  ゼリービーンズ
タイムマシン
ネクタイ
ポケットの中のゼリービーンズを取り出して口に入れた。これはタイムマシンなのだとやつは言う。一粒一時間、過去か未来に行けるのだとやつは真顔で言った。やつは一応科学者だ。そうかと言ってもらった。まぁ、頭にネクタイ巻いてるやつの言うことなど信じてないけどな。イチゴ味だ
 
 33
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 2012/1/25   恋愛  休む

拒絶(シェリダー)
漆黒の長い髪を櫛削る手をふと休めて考える。あの人にとって私は一体何?何でも言うことを聞く都合のいい女?それともただその立場を埋める為だけの物言わぬお人形?所詮親が決めた結婚だ。妻という肩書には何の意味もない。妻だから抱く、妻だから拒絶できない。そこに愛はあるの?
   檀敬さまが対ツイノベを作ってくれました。サンクス! おさげ髪の頃から君が好きだった僕を君は考えられないだろうね。親の決めた結婚だが僕は天にも登る気持だった。だけど恋愛経験のない僕は君をどう扱っていいのかが解らないんだ。こんなにも君のことが好きなのに、愛しているのに。木偶の棒な僕でごめん。それでも愛してくれるかい?
 
 32
 2012/1/22  コメディー 恨む
レンズ
根源(アツィルト)
俺はレンズ越しに諸悪の根源を睨みつけた。こいつさえいなければ彼女は俺のものなんだ。ちょっとくらい顔や頭がいいからって威張ってんじゃねぇぞ。あれ?威張ってたっけ?まあ、そんなことはどうでもいい。恨むならこの魂を吸い取ってしまうというカメラに言うんだな。ふはは。
 31  2012/1/23  ファンタジー 不満

永劫(イオン)
蔦になっている実をもいでかぶりつく。もう飽き飽きだわ。味が悪いわけではけっしてない。しかし不満が口を突いて出る。未来永劫、王子様が現れなかったらどうするのよ。ああ、うるさい。寝てなきゃいけないのは分かってるわよ。眠れる森の美女なんて寝てるばかりで本当につまらない
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 30
 2012/1/22  ファンタジー 興奮

節制(テンパランス)
 鋼の刃先が肉を切る。飛び散る血しぶき。跳躍し切り裂き、振り向きざまにまた切り裂く。私は極度の興奮状態にあった。私は根っからの戦士なのだ。この程度の病で節制などしていられるか。人々の悲鳴が聞こえる。うなり声を上げて襲いかかってくる化け物たちに向かって私は疾走した。
 
 29
*
  2012/1/20 恋愛 悪態をつく
椿
栄光(ホド)
「栄光なんて…そんなもの何の意味もないじゃないかっ」俺はイライラと悪態をつく。欲しかったのは称賛の言葉なんかじゃなかった。赤い…紅い椿のようなくちびる。俺は密かに心に誓う。誰のものでも構わない。あの無邪気なほほ笑みもくちびるも、いつか俺のものにする。
 
 28   2012/1/19  その他 恥らう
宝石
根源(アツィルト)
諸悪の根源は三つだ。星占い、バレンタインデー、ホワイトデー。「あなた。私のラッキーアイテムって宝石付きの指輪なんですって」恥じらいながら言う妻。一月も前から伏線を張るなんてさすがだよ。板チョコ溶かして作った安上がりトリュフからの転身。まさに現代の錬金術だね
  
 27
*
  2012/1/18   恋愛  蜂蜜
廊下
放心
私は放心する。さっき蜜ろうで廊下をピッカピカに磨き上げたはずなのだ。その廊下の上を走りまわる毛むくじゃらの獣とクソガキ…もとい、お嬢様。あーあ、傷だらけだ。「真嶋、この廊下すごいわ! すぃーって滑る」蜂蜜のように甘い笑顔。残念ながら、私はこの笑顔に負けてしまうのだ。
 
  檀敬さまが対ツイノベを作ってくれました。サンクス!   あたし、真嶋の仕事ぶりは良く判っているのよ。そんな真嶋が好きだって、あたし自身判ってる。だけど、あたしは素直になれないの。なぜかしら苛めたくなっちゃうの。そして、あたしができることは真嶋に笑顔を見せることだけ。真嶋だって判っているわ、きっと
 
 26   2012/1/17  コメディー クレープ

ブーツ
 一枚ずつ毒を塗ってやつの好きなミルクレープを作るか、それともブーツの靴底にじわじわ効き目がくる遅行性の毒を塗っておくか、あるいはウサギの毛皮を被せたコブラ襟巻を巻きつけるか。私の暗黒歴史をつづった日記を見た者の末路だ。思い知るが良い。ふはは…うぅ…く…消えたい
 
 25   2012/1/16 ファンタジー  怒る

愚者(フール)
 「んだょこれ! ちきしょー」愚者の蔦に絡め取られて逆さづりのまま怒る幼馴染に、俺はまたかとため息をつく。この森には時折不思議な植物が出現する。だから普通の人は木の実を見ても採りに行かない。金髪が滝のように揺れる。良い眺めになったよな。もう少しこのままにしておくか
 
 24   2012/1/15  コメディー 和む

皇帝(エンペラー)
 「もう疲れたんですか?」難しい顔で座りこむ皇帝の顔を私は覗きこむ。運動不足なのだ。それは分かってる。だけど持参の鞄を取り出した瞬間、コワイ顔の皇帝が、表情を和ませると私は負けてしまう。「次は最後まで歩いてくださいね?」皇帝はワホンと吠えて尾を小さく一ふりした。
 
 23
  2012/1/14  恋愛
香水
スーツ
 「愛してるよ。君と居ると安らぐんだ」とあなたが言う。「私もよ」とほほ笑む。あなたのスーツに残る香水の匂い。私はその匂いを知ってる。誰のものかも知ってる。だから私も同じ香水にした。私の存在に気づかないで。夕暮の空、一番星に願う。お願い私から彼を取りあげないで…
 
 22
 2012/1/13  ファンタジー 走る

魔術師(マジシャン)
 僕は走る、黄昏に染まる街角を。玩具箱をひっくり返したようなごちゃごちゃの街の中、君の幻を追いかけて僕は走る。マジシャンに消されてしまった君。絶対に探し出すよ。見つけ出したら、君は全部僕のもの。心も体も命さえ…。だってこれは、13日の金曜日の鬼ごっこだから…
 
 21  2012/1/12  恋愛 押す
妖精
星(スター)
 「ホタルってさぁ星の妖精みたいだよね」初夏の夕暮れ。君があんまり無邪気に笑うから、つい押すのを忘れたんだ。ホントダヨ。わざとじゃない。一つ先の停留所から二人で歩いて戻る。手を繋いで。目が合えば吹きだして。わざとでも良かったかな…なんて考えているのは内緒だ
 
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 20  2012/1/11  コメディー キャラメル
封蝋
笑う
 届いた封書を開けようとして甘い匂いに首を傾げた。差出人はすっかり無沙汰をしている悪友で、内容は同窓会のお知らせだ。追伸に「悪い、蝋をきらした。でも笑うなよ」の一言。笑うなって、そりゃ無理だ。俺は呆れる。キャラメルを封蝋代わりに使うなんて、おまえくらいだぞ。
 
 19  2012/1/10  その他 叱る
絵具
永劫
 「永劫を閉じ込めるのだ。移ろいゆく瞬間をキャンバスに閉じ込めるのだ!」叱るような独り言。張りつめた空気。絵具の匂い。私は父が絵を描いている時間が嫌いだった。でも今なら分かる。父は時を閉じ込めたかったのだ。家族が揃っていたあの日だまりのように幸せだった日々を…
 
 18  2012/1/9  その他 優越感
スカーフ
醜悪(カイツール)
 醜悪なのは中身のない優越感だ。一度拒否したブランド物のスカーフを私は差し出した。「やっぱりこれ使ってください」その人は感謝の言葉とともに破顔した。今必要なのは身を飾る布ではなく、包み保護する布だ。綺麗なだけじゃないでしょ? スカーフが得意げにそう呟いた気がした。
 
 17  2012/1/8
 恋愛  ジャム
翡翠
彗星
 ねぇ、知ってた? 流れ星って彗星が残していった塵なんだって。だからあんなのに願いをかけたって無駄なんだって、あたし悟ったんだ。幼馴染はしたり顔で俺にそう言った。だからって、そのアヤシげな翡翠色のジャムは何なんだよ。俺は食わねぇぞ。俺を実験台にするんじゃねぇ
 16
  2012/1/7
 コメディー  昼
スプーン
 スプーンで一口頬張った途端、目の前が真っ白になった。苦いようなエグいような。カレーよ、何故こんな味になった? いやしかし、食べねば。ほら、彼女がほほ笑んでいる。いっそ昼飯抜きで彼女を食べた方が良かったか。いや、そんなことを考えてる場合じゃないぞ。とにかく食わねば。
 
 15
*
  2012/1/6  コメディー  悩む
百合
王国(マルクト)
 私は百合の花が大好きだった。だから定年後の道楽で、広大な原野を買い取り、百合で覆い尽くした。美しく咲いた百合庭をみんなに見てもらいたくて開放もした。しかし私は悩む。百合王国という庭名が悪かったのだろうか。若者がなぁんだ花か…とよく呟く。花でなくて何だと言うのか。
 
 14
  2012/1/5  コメディー  ウィスキー
侯爵
放す
 俺は目を細めてウィスキーを舐めた。氷がカラリと音をたてる。こいついい度胸だ。公爵である俺を意のままに操ろうとしているらしい。分かったよ。俺の負けだ。放すよ。事が終わったらすぐに戻ってこいよ。ポチ
 
 13   2012/1/4  恋愛
人形
砂漠 
 砂漠に捨てられた人形のように、枯れ草の上に寝転んで空を見る。カラッカラだ。カラッカラに乾いてる。私を中心にした直径五キロもの乾いた真円。空に手をかざすと、らしくないあざみ色に塗った爪が妙に哀しい。次はピンク色にしよう。次こそ、もっと素敵な恋をゲットだもんねっ
 
 12   2011/12/28  恋愛 クッキー
砂時計
 砂時計を何度ひっくり返しても、時間は元には戻らない。ならば今、私がすべきことはただ一つ、前を向き、新たな未来へ向かって前進することだけだ。「ごめん、俺、今つき合ってる子いるんだ』という言葉とともに帰ってきたクッキーを頬張りながら海を睨みつける。がんばれ! 自分。
 11  2011/12/27  恋愛 怒る

太陽(サン)
私には怒る権利があると思う。鎖でがんじがらめに縛られて、太陽にも似た激しい熱に焦がされて…。なのにあなたは素知らぬ顔で、私に彼女との痴話げんかのことを相談するの? 怒る権利なんて意味がない。あなたを独占する権利、それが私の欲しいもの。
 
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 10 
 2011/12/26
 恋愛
化粧
星座
 星空をなぞるスラリとした長い指が好き。土星の環を見たいって言ったのは口実だった。あなたと一緒に居たい為のただの口実だった。日頃はしない化粧をして、服だっておしゃれな友達に頼みこんで選んでもらったんだよ? なのに、あなたったら、なーんにもきづいてくれないんだから……。
 
       檀敬さまが、対ツイノベを作ってくれました。サンクス!  君が土星を見たいって言ってくれた時、僕は心の中で小躍りしたよ。でも、ごめんね。僕は素のままの君で十分なんだけど……。気付いていないんじゃないんだ、照れ臭くて言い出せないだけなんだ。「キレイだよ」って。
 
 9  2011/12/25  恋愛 スフレ
望遠鏡
縫う
 オープンから出したスフレみたいに、みるみる気持ちが萎んでいく。望遠鏡で土星の環見たいって言い出したのおまえだろ? 用意したのに意味ないじゃん俺は一人ため息をつく。縫う言葉なら星の数ほどあった。なのになんで俺、おまえの前では素直になれないんだろ……。
 
 8  2011/12/2  恋愛 蜂蜜
香水
傲慢
 「なんて傲慢で自分勝手な人なの? いつもほったらかしている癖に…」勢いよく発した言葉は、だけど徐々に力を失っていった。蜂蜜よりも甘く、香水よりも心ときめいて、あの人の言葉や匂いや何もかもが、私から抗う力を奪っていく。反則だよ…聖なる夜にプロポーズなんて……
 
 7  2011/12/232  その他 角砂糖
プレゼント
帽子
 ぬるま湯に落とした角砂糖。帽子に隠されたプレゼント。真昼の北極星。目には見えないのだけれど、そこには確かに存在する。疲れた者をホッとさせ、愛する者の顔を輝かせ、闇に迷った者の道しるべとなる。目には見えないのだけれど、そこに確かに存在して、祝福される幸せな物たち
 6
 2011/12/22  恋愛 ボンボン・ショコラ
蝋燭
おとぎ話 
 人生はボンボン・ショコラだよ。食べてみなきゃ中身は分からない。そう言ってほほ笑んだあなたの顔を蝋燭が温かく照らしだす。あれから十年、あなたは今どんな味を感じてる? おとぎ話に出てくるような甘い甘い蜜の味? それとも苦い毒の味?
 
 5
*
 2011/12/21    #後ろで爆発音がした。俺は驚いて振り返った。を自分流に書く  空気を震わせるほどの爆発音に、日頃滅多に驚かない私でさえ慌てて振り返った。だから料理なんてしなくてもいいですよと言っておいたのに。一体、何をどうしたら卵料理がこんな風に爆発するのだろうか。
 4  2011/12/20  コメディー
ボビン
外套
 私は外套も着ずに雨の中に飛び出した。冷たい、冷たい雨だ。天を仰ぐ瞳に、雨は容赦なく降り注ぐ。頬をつたうのは果たして雨なのか涙なのか…。そんな私に後ろから容赦ない声が響く。「ボビンを知らないなんて、あなた家庭科の時間何をしていたの?早くミシンにセットしなさい!」
 
 3  2011/12/15  その他

踊る
 俺は彼女のピアノが好きだ。だからキスや甘噛みしたい気持ちを押えて、大人しく聴く。彼女の旋律は軽やかだ。心が躍る。いつの間にか体も踊る。だからってよ、俺の後ろに埃だらけの本を置くなよ。俺の尾は箒じゃないんだぜ。
 
 2  2011/12/14  その他 べっこう飴
香炉
天球儀
 祖父の書斎には不思議なものがたくさんある。香炉や天球儀そして寄木細工のカラクリ箱。祖父は亡くなる前、そのカラクリ箱を僕に託した。さんざん苦労して開けた瞬間「いてっ」ばね仕掛けの玩具が飛び出して顔に当たる。「びっくりしたか? まぁ、これで機嫌なおせ」中にはべっこう飴が入っていた。
 
 1
 2011/12/13  その他
愛おしむ
シュークリーム
 膨らみの頂上に小さく開けた窓から中を覗きこむ。本当にダブルだ。僕はほくそ笑む。この広い世界の中で、彼女ほど愛おしむのに最適な存在を僕は知らない。舌なめずりすると、僕は柔らかなそれを口に含んだ。シュークリーム最高〜!
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