番外編

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                  番外編 髪処屋の星音さん


 連日、濃い霧に包まれているハートリペア村です。かなりの人数のお客様が訪問していて、村は活気づいています。お客様に来てもらえるのは嬉しいことなのですが、ここにたどり着くのは、ハートを修理する必要がある方ばかりですから、あまり喜んでいる場合ではないのですけどね。それでも村の人たちは働き者ばかりなので、お客様が来るとどうしても活気づいちゃうんです。ま、そこは大目に見てあげて下さいね。

 今日は少し村をそぞろ歩きしてみましょうか。

 村は、紫さんがいる禁断の森から銀狐さんがいる山の入口までを繋ぐ目抜き通り、通称桜大路を中心に発展しています。その名の通り桜並木になっていて、花の季節はそれはそれは見事なんですよ? 美鳥さんの温度屋や蓮さんの叩き屋やシンシアちゃんの潤し屋は、この通りに面しています。今、桜大路で一番人気のお店は、『彩り屋』です。ここではハートを素敵な色に染めてもらえるんですよ? ちょっと変わったところでは、『汚し屋』ですかね、わざわざハートを汚すの? と不思議に思うかもしれませんが、結構お客様が入ってるんですよ? ただ汚すんじゃなくて、カッコ良く汚してくれるんだとか。

 桜大路に店を出すにはたくさんのポイントが必要です。だから老舗や人気のお店が軒を連ねているんですよ。その大通りから無数の小路が広がっていて、それぞれの小路に名前がついています。大抵はその小路にもっとも多く生えている木や植物の名前がついているんですよ? 楓小路とか竹小路とか沈丁花小路とかね。それぞれの小路にも、小さなお店がちらほら店舗を構えています。

 色々不思議なお店があるハートリペア村ですが、小路にある小さなお店は、こちらの世界にもあるような普通のお店であることが多いんです。玉子を売っている玉子屋とか、八百屋とか、一膳飯屋とか、そうそう、髪処屋もちゃんとあるんですよ。これらのお店は、こちらの世界からのお客様向けと言うよりは、ハートリペア村の村人向けのお店になっています。村の人たちだって食事をしたり髪を切ったりしますからね。もちろん、こちらの世界から行った場合でも利用できますから、お時間があるようなら是非寄ってみてくださいね。

 今、潤し屋のシンシアちゃんは、本業そっちのけで、特注の着物を手縫いしているところです。いつもはミシンを使うんですが、着物となると俄然発奮して手縫いしちゃうんですよ。筋肉モリモリな腕と針仕事が、ビジュアル的にはなんともちぐはぐな感じですが、シンシアちゃんはそういった細かい仕事が得意なんです。

 都忘れの花のような鮮やかに濃い紫色の着物は、美鳥さんからの注文です。この前隣町に行った時に、この素晴らしく美しい布地を仕入れてきたのです。美鳥さんに見せたら目を輝かせて、これで打掛けを作ってほしいとその場で注文してもらえたんですよ? 前に作ってあげた桜色の小袖に重ねるのにぴったりだと思っていたシンシアちゃんは、我が意を得たりとニンマリほほ笑みます。

「ふぅ。後は仕上げのアイロンをかけたら完成ね」
 首を捻るとぽきぽきと音がしました。随分根をつめて縫いましたからね、肩がこってしまったんです。洗面所の鏡を覗きこむと、ピンク色の角刈りの疲れた男の顔が映りました。
「いやだわ。アタシ随分疲れた顔してるわね。そうだ、たまには星音(きらり)の所に行ってポイントを差し入れてこようかしら」

 星音さんはナズナ小路で髪処屋を開いている新入りさんです。数年前ハートリペア村に開業したんですが、開業する前は、こちらの世界からの常連のお客さまでした。ハートリペア村の常連さんというのは滅多にないんですけどね、彼女はそうだったんです。お客様だったころから、シンシアちゃんは、この星音さんのことを知っていました。ハートリペア村から帰れなくなった日のことも……。

「あの子は不器用だから、ポイントが貯まらなくて困っているかもしれないものね」
 ポイントというのは、ハートリペア村で流通している通貨のようなものです。以前は貨幣を使っていたのですが、最近ポイント制になったんですよ? カード一枚持っていれば全ての決済ができるので便利なんです。進んでいるでしょ? でも村のシステムがそうであるので、ポイントが少ないとそれなりに困った事になるんです。

 シンシアちゃんはお決まりの黒のレザーベストを着こみレザーパンツを履くと、お店の前に、『本日の営業は終了しました』と看板を立てました。ちなみに、お仕事中のシンシアちゃんは、動きやすいようにワイシャツにパンツ、その上にはお手製のエプロンを着ているんですよ? たくさんポケットが着いたエプロンで、まるで工具箱を着ているように便利なんですって。

 寒さが少し緩み始めた大通りの桜は、しかしまだ蕾を硬く閉じたままです。それでも明るさを増した陽ざしに、木全体がほんのり色づいているように見えました。シンシアちゃんは外の冷たい風を気持ちよさそうに吸い込むと、大通りを禁断の森方向に歩きだしました。

 星音さんのお店があるナズナ小路は、村の外れにあります。禁断の森の入口付近と言っても良いくらい外れにあるんです。ナズナというのは、いわゆるペンペン草のこと。春になるとナズナだけでなく、レンゲやキンポウゲやシロツメクサなんかの雑草が生い茂る原っぱが広がります。

 ところで、星音さんの店は髪処屋なのですが、シンシアちゃんが彼女の店で髪を切ってもらったりセットしてもらったりしたことは、一度もありません。表向きの理由は、大通りに面した馴染みの髪処屋でやってもらうことにしているからと彼は言うでしょうが、本当の理由は星音さんの髪処屋としての腕を疑っているからなんです。

 でもまぁ、それも無理はないかもしれません。開店した当初、何人の村人が星音さんのお店から泣きながら出てきたことでしょうか。彼女、とっても不器用なんです。左右の髪が対称にならないのなんか当たり前で、穴があいてハゲができたり、髪が爆発したり、変な色に染め上がったり、彼女の失敗例をあげたら枚挙にいとまがありません。シンシアちゃんご自慢のピンク色の角刈りを、変な色にされたり、ハゲにされたりしたら堪りませんものね。

 でも、彼女はマッサージの腕だけは確かで、髪をやってもらった後がどんなひどい状態になっていても、うっとりして一時忘れてしまうくらい上手なんです。最近ではマッサージの為だけに来るお客様が多いようで、それならいっそのこと『ほぐし屋』にしてはどうかと思うんですが、星音さんは何故か『髪処屋』に拘っているようなんです。

 早春のナズナ小路は春の気配に満ちていました。この時期、気の早いナズナが白い小花を咲かせているのはいつものことですが、『きらり髪処屋』のお店の周りには黄色く色づいた菜の花がちらほら咲いていました。シンシアちゃんはそれを見て、にっこりほほ笑みます。去年、シンシアちゃんは、街で仕入れた菜の花の種を、星音さんにプレゼントしたんです。菜の花の種を絞れば良質な油がとれますからね、髪にもマッサージにも使えるんじゃないの? とシンシアちゃんが提案したんです。

 ドアを開けると、からりん、と少し間の抜けた音がして、奥の部屋から星音さんが慌てて出てきました。
「はいはーい、いらっしゃいま……なぁんだ、シンシアちゃんか〜。慌てて損した〜」
 星音さんは、栗色のふわふわ髪を緩い三つ編みにして、白いかっぽう着を着ていました。
「なんだとは失礼ねー。これでも客よ?」
「客ぅ? とうとう私に髪を切ってもらう覚悟ができたの?」
 目を輝かせて身を乗り出す星音さんの頭を、シンシアちゃんは、ぽふんと叩きました。
「アナタなんかにアタシの髪を触らせるもんですか。マッサージをしてもらいにきたのよ。針仕事をしたら肩がこっちゃってねー」
「やっぱり、なぁんだで正解だった〜」

 結構きついことを言われている割には、大して気にする様子もなく、星音さんはきゃらきゃら笑います。もっとも、ハートリペア村の人たちは、このシンシアちゃんの歯に衣着せぬ物言いが割と気に入っていて、大抵、笑って済ますことが多いんですけどね。

 星音さんは、割烹着を髪処屋の作業着である赤いエプロンに着替えて、さっそくマッサージを始めました。頭から首筋、そして肩、背中までトントンとリズミカルに叩いていきます。
「シンシアちゃんは相変わらず体をよく鍛えてますね〜。すっごい筋肉〜」

 星音さんはくすくす笑いながら、上腕二頭筋を両手でわしわしと掴みます。シンシアちゃんはすました顔で、まぁね、と言いました。上着を脱いで黒のタンクトップだけになると、いやが上にも見事な筋肉が強調されるので、皆さんもきっと掴みたくなると思いますよ?

 程良く全体の筋がほぐれてきたところで、親指を使って肩から肩甲骨にかけて揉みほぐしていきます。揉んでいるうちに、どこがこっているのかが指先に伝わってくるので、そこを重点的にほぐしていくんですが、強く揉み過ぎてはダメなんですって。揉み返しがきて逆に痛くなっちゃうんだそうですよ。お客様の中にはもっと強くと言う方もいらっしゃいますが、星音さんは慌てず騒がず、時間をかけてゆっくりじっくり揉みほぐしていきます。最後に蒸しタオルで肩や首筋を温めて終了です。ほら、ふわっと肩が軽くなったでしょ? ポイントを追加すれば、顔や頭のマッサージもしてくれますよ? こちらもお勧めです。

 あまりの心地よさに、少しウトウトし始めていたシンシアちゃんは、首の後ろに熱い蒸しタオルを乗せられて目を覚ましました。
「あら、もう終わりなの?」
「顔や頭もマッサージする?」
「んー、今日はやめておくわ。肩が凝っただけですからね。でもポイントは弾むわよ」
「シンシアちゃんにはいつもお世話になってるから、本当ならポイントなんかいらないくらいなんだけど……」
「何言ってんのよ、ビンボー人の癖に見栄を張らないのっ」

 星音さんは、はい、と気持ち良い返事をして、またクスクス笑います。よく笑う人なんです。まぁ、星音さんは箸が転んでも笑っちゃう年頃ですからね、無理もないことなんです。でも星音さんが笑うようになったのは、ここ最近のことなんですよ。だってね、星音さんはハートリペア村の珍しい常連さん、つまりこちらの世界では辛い思いばかりしていた人なんです。シンシアちゃんは、星音さんの笑顔を見る度に、実は内心ホッとしているんです。あぁ、大丈夫、この子はちゃんと笑ってるってね。

「ところでアナタ、そんな恰好をして何をしていたの?」
 マッサージが終わって、また割烹着に着替えた星音さんに、シンシアちゃんが訊きます。
「ん? 今ね〜 蕗を炊いてたとこなの。今日はね〜、筍ご飯とウルイの酢味噌和えがあるんだよ。シンシアちゃん、夕飯食べて行ってよ。もうすぐできるから」
「……随分ババくさいものばかり食べてるのねぇ。そこらで採ってきたものばかりじゃないの」
「今朝ね、うさぎのタロさんと一緒に蕗と筍を採りにいったの。たくさん採れたから、美鳥さんのところにも持って行ったんだよ。シンシアちゃんは料理をしないから、出来上がったら持って行こうと思ってたんだけど、来てくれたから持ってく手間が省けたよ」

 星音さんは家庭に恵まれない子供でした。若くして未亡人になってしまった星音さんの母親は、再婚と離婚を繰り返し、新しく来た義父は大抵の場合、星音さんを邪魔ものにしました。叩いたり蹴ったり,ご飯をくれなかったり、それ以上のひどいことも……。それでも小さい頃は、美容院をしていたお祖母ちゃんのところに逃げ込むという手があったんです。だから小学校を卒業するまではかろうじて無事でいられました。でもお祖母ちゃんが亡くなってしまってから後の星音さんの生活ときたら、助けてあげたいと思わない人がないくらいひどいものでした。何度も死にかけたし、星音さん自身、生きる気力を失っていました。結局のところ、彼女の窮地を救える人は誰もいなかったんです。

 ハートリペア村から帰れなくなったあの日、温度屋の二階の二番の部屋のドアを開けて、星音さんは首を傾げました。いつもなら、部屋の中はこちらの世界の風景で満たされているはずでした。でもそこには、よく拭き清められた板の間の部屋に不思議な形のダクトがあるきりでした。首を傾げながら部屋から出てきた星音さんに、美鳥さんは一瞬目を見張った後、泣きながら抱きしめてくれました。もうこちらの世界に自分の居場所は無くなったのだと、星音さんは美鳥さんの涙で悟りました。

 でもね、星音さんはちっとも悲しくなかったんだって、きっと言うでしょう。あぁ、もうこれで、ひどい目に遭わずに済むし、母親がひどい目に遭っているところも見ずに済むと思ったらしいですから。星音さんのお母さんは余程男運に恵まれない人だったんでしょうね。星音さんは、むしろ、ハートリペア村にずっと居られることが分かって、ワクワクしたらしいです。禍福はあざなえる縄のごとし、悪いことがあれば良いこともあるもんなんですよね。

 髪処屋の奥には小さな台所と居間があって、少し狭いですけど、とても気持ちよく過ごせるようになっているんですよ? 筍ご飯に、甘辛く炊いた蕗、うすみどり色のウルイは、さっとお湯にくぐらせたものに、柚子酢味噌をかけてありました。シメジと菜の花のお吸い物には、手毬麩が楽しそうに浮かんでいます。タンポポの黄色いお花は天ぷらに、ワカサギはフライにしてあるようです。ちゃぶ台の上に所狭しと並べられた季節料理に、シンシアちゃんは目を見張りました。

「これ全部アナタが作ったの?」
「んとね、タンポポの天ぷらはタロさんが持って来てくれたの。あとね、ワカサギのフライは三日月クマさんがくれたんだよ。どっちも筍ご飯とトレードしたんだ〜」
 いつもは一膳飯屋で食べるか、街で買ってきたものを食べて済ましていたシンシアちゃんは、久しぶりの手料理に舌鼓をうちます。

「ねぇね、シンシアちゃん今日は泊ってかない? 今日からしばらくお隣のナノハちゃんが町に行っちゃって私一人なんだよね〜」
 ナノハちゃんと言うのは、髪処屋の隣で染物屋を開いている女の子で、星音さんよりも少し年上のお姉さんです。草木から、とっても綺麗で素敵な色を引き出せる人で、その染色に負けないくらい本人も素敵で綺麗なお姉さんなんですよ? 彼女は草木染めに使う媒染剤を仕入れに隣町へ行ったようです。一週間くらいお店を閉めると言っていました。

「アナタねぇ、アタシが男だって知ってる?」
 シンシアちゃんは少し困った様子で問います。
「だって、シンシアちゃんオカマさんでしょ?」
 何の屈託もなくにっこり笑う星音さんにシンシアちゃんはがっくりします。
 この警戒感の無さは、もしかして誤解しているんじゃないかとは思っていたのですが、やはりそうだったかとシンシアちゃんは遠い目になりました。

 かつて、ガラスのような乾いた瞳をして、笑うことをすっかり忘れていた星音さんを、初めて潤した日のことをシンシアちゃんは思い出しました。潤し屋で心が潤った星音さんは、三日三晩泣き続けました。自分はすっかり汚れてしまって、もう取り返しがつかないのだと泣きました。潤いを得て柔らかくなった心は、逆に些細なことでも痛みを感じる傷つきやすい心になっていました。それが良かったのか悪かったのか、シンシアちゃんは未だに判じきれずにいます。

 ――ごらんなさいな。
 その時、季節は折しも夏の盛りで、たくさんの蓮の花が、その清らかで優美な花弁をふうわりと開いていました。
 ――蓮の花は、冷たくて汚れた泥の中から出てくるのに、こんなにも清らかで美しいわ。大事なのは、心まで汚さないこと。アタシはそう思うわよ?
 シンシアちゃんがそう言った途端、星音さんはそのままジャブジャブと沼の中に入って行き、蓮の花を抱きかかえるようにしてまた号泣しました。潤し屋になって初めて、シンシアちゃんが無力感を覚えた瞬間です。

 自分に警戒感を持たずにいられるのなら、オカマと間違えられていても、それはそれでいいのかしら? シンシアちゃんは首を傾げます。でも、実際のところシンシアちゃんはオカマでは無いので、こう提案することにしました。
「一人で寂しいなら、しばらく美鳥さんのところに泊ったらいいじゃないの。あそこならたくさん部屋があるし、温泉もあるし、うちも近いから構ってあげられるわよ?」
「そっかー、その手があったね」
 星音さんの顔がぱぁっと明るくなったので、シンシアちゃんもつられて笑います。

 夕食を済ませて、二人でお茶碗を片づけた後、連れだって夜道を歩いて温度屋へ向かいました。星がとても綺麗な夜だったんですよ?

「そうだ。アナタにこれをプレゼントしようと思っていたんだった」
 シンシアちゃんはレザーの胸ポケットから、鮮やかな紫色のリボン型をした髪留めを取り出しました。美鳥さんの打ち掛けを作った生地のあまり布で作ったものです。
「うわー、すっごく綺麗〜。いいの?」
「あまり布で作っただけよ。貸して御覧なさい、付けてあげるわ」

 髪留めは星音さんにとてもよく似合っていました。ありがとうと言ってふうわりと笑う星音さんに、シンシアちゃんはドキンとします。蓮の花みたいだと思いました。

「ねぇアナタ、ポイントが貯まったら、やっぱりすぐに禁断の森へ行くの?」
 ふと口をついて出た問いに、あらやだ、アタシったらなんでこんなこと訊いてるの? とシンシアちゃんが動揺していると、のんびりとした口調で返事が返ってきました。
「まさか〜。私にはね、大望があるんですよ〜」
「大望?」
「はい〜。ポイントを貯めて桜大路に店を出すのが夢なんです」
 ぐっと握りこぶしに力を込めて星を見上げる星音さんに、シンシアちゃんは思わず吹きだしました。
「それならもう少し髪処屋の腕を上げるか、ほぐし屋に変更するかしないとポイントは貯まらなさそうねぇ」
「失礼ですね〜。これでも少しずつ髪処屋の腕は上達してきてるんですよ? 昨日のお客様は珍しく向うの世界から来た方だったんですが、左右対称じゃない髪型になったのにひどく喜んで帰って行きましたからね〜。それで、私、思ったんです。無理に左右対称にする必要はないんじゃないかって〜」

 まだしばらくは、この子の面倒をみることになりそうねと、シンシアちゃんはため息をつきましたが、一方で、それも悪くないと思っている自分に戸惑います。

「そだ、シンシアちゃん、一緒に美鳥さんちの温泉に入りませんか? きっと楽しいですよ?」
「アナタねぇ、だから、アタシは男だって何度言ったら分かるの?」
「だってシンシアちゃんオカマさんでしょ?」
 星音さんの屈託のない笑顔にシンシアちゃんは口元をひくつかせます。そして、自分はこのまま真性オカマになるよう努力すべきなのか、意を決して自分がオカマではない事をカミングアウトすべきなのか、シンシアちゃんは真剣に悩むのでした。

 あ、オカマは努力してなるものじゃないなんて、つっこまないでくださいね、悩んでるシンシアちゃん見てるの、面白いんで……。では。

                                                 Fin
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